プロフィール

 

教員基礎情報
氏名 藤谷 忠昭(フジタニ タダアキ) 所属 人文学科
ローマ字 Tadaaki FUJITANI 専攻


学歴
入学卒業学校名学部・学科学位
1982年04月1987年03月早稲田大学第一文学部学士
1992年04月1994年03月東京都立大学 社会科学研究科修士(社会学)
1994年04月2002年03月東京都立大学 社会科学研究科 博士(社会学)
職歴(相愛大学)
開始年月終了年月学校名所属職名授業名
2003年04月2007年03月相愛大学人文学部助教授 
2007年04月2015年03月相愛大学人文学部准教授 
2015年04月現在に至る相愛大学人文学部教授 
所属学会
日本社会学会 / 関東社会学会 / 地域社会学会 / 日仏社会学会 / 日本NPO学会 / International Sociological Association
学協会活動
開始年月終了年月所属役職名
1994年04月現在に至る日本社会学会 
1994年04月現在に至る関東社会学会 
2007年04月現在に至る地域社会学会 
2008年04月現在に至る日仏社会学会 
2014年04月現在に至る日本NPO学会 
2018年04月現在に至るInternational Sociological Association  
社会貢献活動等
開始年月終了年月事項
2005年11月現在に至る特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構会員
2013年06月現在に至る特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構理事
授業科目等(現年度を含む過去3ヶ年)
年度学期授業名
2009前期現代社会演習1-1
2009前期社会調査演習
2009前期現代社会論(AB)
2009前期フィールドワーク論
2009前期現代社会論(AB)
2009前期卒業研究指導
2009前期現代社会演習3-1(1)
2009前期卒業研究指導(1)
2009前期現代社会論(AB)
2009前期社会調査演習
2009前期現代社会演習1-1
2009前期現代社会演習3-1(1)
2009前期フィールドワーク論
2009前期フィールドワーク論
2009前期現代社会論(AB)
2009前期社会調査演習
2009前期現代社会演習3-1(1)
2009前期現代社会演習1-1
2009前期卒業研究指導(1)
2009後期卒業研究指導(1)
2009後期現代社会演習3-2(1)
2009後期現代社会演習1-2
2009後期社会調査演習
2009後期現代社会研究
2009後期社会調査方法論
2009後期社会調査方法論
2009後期現代社会演習3-2(1)
2009後期現代社会演習1-2
2009後期社会調査演習
2009後期現代社会研究
2009後期卒業研究指導(1)
2009後期卒業研究指導
2009後期現代社会演習3-2(1)
2009後期現代社会研究
2009後期社会調査方法論
2009後期社会調査演習
2009後期現代社会研究1
2009後期現代社会演習1-2
2010前期フィールドワーク論
2010前期現代社会論(AB)
2010前期現代社会演習1-1
2010前期卒業研究指導(1)
2010前期現代社会演習3-1(1)
2010前期社会調査演習
2010前期フィールドワーク論
2010前期社会調査演習
2010前期現代社会論(AB)
2010前期現代社会演習1-1
2010前期現代社会演習3-1(1)
2010前期卒業研究指導(1)
2010後期卒業研究指導(1)
2010後期現代社会演習3-2(1)
2010後期現代社会演習1-2
2010後期社会調査演習
2010後期現代社会研究
2010後期社会調査方法論
2010後期社会調査演習
2010後期現代社会演習3-2(1)
2010後期現代社会演習1-2
2010後期卒業研究指導(1)
2010後期現代社会研究1
2010後期社会調査方法論
2011前期社会調査演習
2011前期現代社会演習1-1
2011前期現代社会演習3-1(1)
2011前期フィールドワーク論
2011前期卒業研究指導(1)
2011前期社会調査演習
2011前期現代社会演習3-1(1)
2011前期フィールドワーク論
2011前期卒業研究指導(1)
2011前期地域研究入門
2011後期コミュニケーション論A(概論)
2011後期卒業研究指導(1)
2011後期現代社会演習3-2(1)
2011後期社会調査演習
2011後期現代社会研究
2011後期卒業研究指導(1)
2011後期現代社会研究1
2011後期現代社会演習3-2(1)
2011後期現代社会演習1-2
2011後期社会調査演習
2012前期社会調査演習
2012前期社会調査方法論
2012前期卒業研究指導(1)
2012前期現代社会演習3-1(1)
2012前期地域研究入門
2012前期社会調査法
2012後期フィールドワーク論
2012後期コミュニケーション論A(概論)
2012後期現代社会研究1
2012後期現代社会演習3-2(1)
2012後期卒業研究指導(1)
2012後期フィールドワーク論
2012後期現代社会論
2012後期社会調査演習
2012後期現代社会論
2013前期社会調査入門
2013前期市民社会論
2013前期社会調査法
2013前期文化交流演習Ⅰ(1)
2013前期人文学概論
2013前期現代社会演習3-1(1)
2013前期社会調査入門
2013前期社会調査方法論
2013前期環境社会学
2013前期社会調査演習
2013前期卒業研究指導(1)
2013後期卒業研究指導(1)
2013後期社会調査演習
2013後期フィールドワーク論
2013後期現代社会論
2013後期現代社会演習3-2(1)
2013後期現代社会論
2013後期文化交流演習Ⅰ(1)
2013後期フィールドワーク論
2013後期コミュニケーション論A(概論)
2014前期市民社会論
2014前期地域研究入門
2014前期文化交流演習Ⅰ
2014前期社会調査法
2014前期文化交流演習Ⅱ(8)
2014前期社会調査入門
2014前期フィールドワーク論
2014前期社会調査方法論
2014前期環境社会学
2014前期現代都市論
2014前期社会調査方法論
2014前期社会調査入門
2014前期人文学概論
2014後期現代社会論
2014後期現代社会論演習
2014後期フィールドワーク論
2014後期現代社会論
2014後期フィールドワーク論
2014後期文化交流演習Ⅰ
2014後期フィールドワーク論
2014後期コミュニケーション論A(概論)
2014後期卒業研究(8)
2014後期卒業研究(8)
2015前期フィールドワーク論
2015前期フィールドワーク論
2015前期社会調査演習
2015前期社会調査方法論
2015前期文化交流演習Ⅱ(8)
2015前期フィールドワーク論
2015前期社会調査法
2015前期市民社会論
2015前期人文学概論
2015前期専門応用演習A
2015後期専門応用演習B
2015後期現代社会論
2015後期コミュニケーション論A(概論)
2015後期地域研究入門
2015後期卒業研究(8)
2015後期卒業研究(8)
2015後期社会調査演習
2015後期現代社会論演習
2016前期専門研究演習(10)
2016前期専門研究演習(10)
2016前期専門応用演習A(10)
2016前期フィールドワーク論
2016前期社会調査方法論
2016前期社会調査演習
2016後期社会調査演習
2016後期現代社会論演習
2016後期専門応用演習B(10)
2016後期社会人基礎力実践
2016後期卒業研究(10)
2016後期卒業研究(10)
2016後期現代社会論
2017前期フィールドワーク論
2017前期現代社会論演習
2017前期社会調査演習
2017前期専門研究演習(10)
2017前期専門研究演習(10)
2017前期専門基礎演習A(4)
2017後期専門応用演習B(10)
2017後期現代社会論
2017後期卒業研究(10)
2017後期卒業研究(10)
2017後期社会調査演習
2017後期社会学概論
2017後期社会調査方法論
2018前期フィールドワーク論
2018前期現代社会論演習
2018前期社会調査演習
2018前期現代社会論
2018前期専門研究演習
2018前期専門研究演習
2018前期人文学概論
2018前期専門基礎演習A(3)
2018後期現代社会論
2018後期卒業研究
2018後期卒業研究
2018後期専門応用演習B
2018後期社会調査法
2018後期社会調査演習
2018後期社会調査方法論
2018後期社会学概論
2019前期現代社会論
2019前期社会調査演習
2019前期フィールドワーク論
2019前期現代社会論演習
2019前期人文学概論
2019前期専門研究演習
2019前期専門研究演習
2019前期専門基礎演習A(3)
2019後期専門応用演習B(9)
2019後期卒業研究
2019後期卒業研究
2019後期現代社会論
2019後期社会調査方法論
2019後期社会調査演習
2019後期社会学概論
2019後期社会調査法
その他の教育活動
年度学内学外
2011東北震災ボランティア実習 

教員研究業績
研究分野: 社会学
研究キーワード: 社会理論 / 市民社会 / 組織 / 地域 / 情報
教育上の能力に関する事項
教育方法の実践例
開始年月終了年月表題概要
2007年04月現在に至る社会調査演習社会調査演習では、3〜4人ごとのグループごとに自らテーマを決め、フィールドワークを行ってもらっている。文献研究、依頼文の作成、質問の作成、アポイントの取り方、録音機器の使い方、礼状の作成、分析、報告書の作成など、各所でオリエンテーションを行いながら、独自の力でインタビュー調査の全体を体験してもらっている。また、パソコンを使った作業を多く課している。
実務の経験を有する者についての特記事項
開始年月終了年月表題概要
1988年04月1992年03月大阪府庁主事主に広報・広聴業務を担当した。中河内府民センターでは、住民参加のイベントの運営、市町村調整、要望・苦情の受付と調整などを行った(1988.4-1990.3)。また、府民情報室(現広報課)では、広報誌の作成などを行った(1990.4-1992.3)。
職務上の実績に関する事項
免許・資格
日付免許・資格概要
2004年10月1日専門社会調査士現代社会において、社会調査を用いた研究もしくは実務にたずさわる職業人にふさわしい、社会調査に関する高度な専門的知識と技能をもつ人材の育成を目的として、これら知識と技能の修得を認めうる一定の要件をみたした者。(一般社団法人 社会調査協会「専門社会調査士認定規則」第1条)
研究業績に関する事項
著書
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
『現代社会福祉辞典』共著2003年11月有斐閣秋元美世・大島巌・芝野松次郎・藤村正之・森本佳樹・山縣文治編40, 53, 275, 284社会福祉・社会保障の用語・人名3500項目を収録、社会福祉の現在を理解し、福祉社会の未来を展望する辞典で、以下の8項目について、それぞれ100字程度の概念定義を作成した。項目:「大きな政府/小さな政府」「革新自治体」「政策科学」「政策過程」「政策決定」「政策実施」「政府間関係」「政府体系」
『個人化する社会と行政の変容─情報、コミュニケーションによるガバナンスの展開』単著2009年05月東信堂(全304頁)  個人化、情報化社会における住民と行政との関係について検討した。前半の理論的検討では、「理性」的コミュニケーションを逸脱した行為への対応、また組織内コミュニケーションの阻害要因について分析した。後半では事例として広聴政策、オンブズパーソン制度、市民オンブズマン活動を取り上げ、個人化社会におけるセーフティネットの機能、インターネットによる新たな公共空間創出の可能性を提示した。
『闘う地域社会』第6章「内部的連帯を媒介とした外部的連帯─自立を選択した自治体の生き残り戦略」担当共著2010年03月ナカニシヤ出版青木康容・田村雅夫編105-124平成の大合併で揺れる小規模自治体の生き残り戦略を考察した本書の中で、合併をしなかった小規模自治体に焦点を絞り分析、検討した。まず全国市町村アンケートに基づき、単独での自立を選択した自治体が合併した自治体に比べ厳しい状況であることを確認し、その上で現状をどのように克服するかという自治体の戦略について、フィールドワークに基づき福井県池田町、長野県大桑村、沖縄県与那国町を事例に分析した。
『変貌する沖縄離島社会ー八重山にみる地域「自治』』第2章「地域におけるナショナルなものー与那国の対外戦略」担当共著2012年05月ナカニシヤ出版杉本久未子・藤井和佐編39-56与那国町を事例に、国境自治体のナショナリズムからコスモポリタニズムへの可能性を検討した。同町では姉妹都市である台湾の花蓮市との交流が進展する一方、主に経済的理由による自衛隊誘致についての議論が町民を二分している。ヨーロッパと東アジアの実情の違いと、財政逼迫による地域助成の縮小から、容易に平和的関係が開花せず、国家に頼らざるをえない日本社会の現状を明らかにし、同町の今後の課題を示した。
『米軍基地と沖縄地域社会─シリーズ 沖縄の地域自治組織1 <北中部編>』第4章「共同性の物質的条件ー沖縄市の郷友会と嘉手納基地」担当共著2020年11月ナカニシヤ出版難波孝志編71-87嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫地区のために土地を接収された旧越来村(現沖縄市)の住民による郷友会を概観し、その存続の物質的条 件を中心に見てきた。すべての土地が基地内にある郷友会の場合、その地料 は、ネットワーク型の共同性の基礎になっていることが明らかであった。そ の意味で、十分であるといえないとしても、軍用地料は、失われた、あるい は失われかけている共同性に対する間接的な「補償」となっていた。同様に、 「ふるさと会館」建設などの要望は、とりわけ共有地が残っていない地区に とって、共同性へのダメージに対する「補償」を求める主張であるといえる。こうした様相を具体的に整理することで、これらの郷友会の共同性の困難、それを困難にした歴史的運命を明らかにした。
Archives for Maintaining Community and Society in the Digital Age, 3.Citizen Activities and Accountability: Changing Organization and Reconstruction of Archives共著2021年01月SpringerKeiji, Fujiyoshi ed.21-28This paper shows the activities of citizen ombudspersons in Japan, arguing, on the basis of interviews and participatory research, the potential of Non-Profit Organizations (NPOs) to reconstruct public archives and facilitate organizational changes.These activities suggest new ways of coping with a civil society. First, they illustrate the significance of accountability of organizations. Second, they represent a new social movement by laypeople as a form of participatory democracy. Finally, they show the transformation of public organizations in the process of interactions with citizens.
論文・解説等
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
(修士論文)「プラグマティズムと社会学 ── W.ジェームズを中心に」単著1994年01月東京都立大学  プラグマティスト、W.ジェームズを、シカゴ学派などのアメリカ社会学に学説的に位置づけながら、その理論的な可能性について検討した。シュッツに影響を与えた下位宇宙論と、ミードに影響を与えた過程的真理観は、科学的な分析に始終しがちな現代のコミュニケーション理論に対し、個人的なリアリティからのアプローチに道を切り開いている。特に本論では、多様なコミュニケーションの中で分岐する自己論を中心に論じた。
「プラグマティズムと社会学─W・ジェームズ経験論の可能性」単著1994年11月『社会学論考』15(東京都立大学社会学研究会) 159-180社会を客観的に認識できるかとう問題は、社会学における重要なテーマのひとつである。 ジェームズのプラグマティズム的真理観は、客観的な社会観を批判しつつ、多元的な諸実践の立場から把握される流動的な社会観を明らかにする。本論では、主観と客観の分岐以前の「経験」に着目する純粋経験論を中心に、コミュニケーションの前提となる社会的リアリティについて明らかにした。
「R.ローティの会話的合理性について─プラグマティズム的思考の再考」(査読有)単著1995年06月『年報社会学論集』8(関東社会学会) 35-46社会的リアリティが対話によって構成されるという共通了解をもちながら、ハーバーマスはその理論的基礎付けを求め、リオタールは「争異」の不可避性を強調する。本稿では、両者と比較しつつ、会話の継続性に合意の希望を見いだす現代のプラグマティスト、ローティの立場を検討し、多元的に価値分化した現代の社会における、差異を重視した「合意」の可能性について論じた。
「官僚制への有効な批判について─行政社会学の課題設定のために」単著1996年11月『社会学論考』17(東京都立大学社会学研究会) 36-54社会学におけるこれまでの官僚制研究は、内部の「構造」の機能的効率性を描き出すものと、外部からのブラックボックスとしてのアプローチとに分岐される。だが、むしろ行政の内部のリアリティと外部のリアリティとの差違に着目し、両者の接触場面に焦点を当てる必要がある。この観点から、本論文では、ヴェーバー、マートン、ルーマンらの学説的業績を参照しつつ、行政の変容の分析に向けて、官僚制研究の今後の方向のひとつを示した。
「『合理性』をめぐる『場』としての行政─広聴政策の有効性をめぐって」(査読有)単著1997年06月『年報社会学論集』10(関東社会学会) 109-120住民の意向を広く聴く広聴政策が現在、中央政府、自治体の両方において積極的に推進されている。しかし、それがソフトな「権力」として秩序維持にのみ機能しているという可能性は否定できない。本論文では、東京、大阪の大都市の広聴担当者からの聞き取りを主な手法として、行政の苦情対応における「感情」沈静化作用に着目することの重要性を指摘し、その作用が社会の秩序維持に貢献しているのではないか、という結論を導き出した。
「W.ジェームズの純粋経験の概念について─ステレオタイプと個別性」(査読有)単著1999年06月『社会学評論』50(1)(日本社会学会)  75-90W.ジェームズの純粋経験の概念を軸に、コミュニケーションにおけるステレオタイプについて検討した。その結果、意味以前の「現実」が理論的に想定可能であることを示し、また、純粋経験の概念が、ステレオタイプを回避した態度を言語化することを明らかにした。さらに、純粋経験論が意味領域を越えた「現実」に対する思考を可能にすることを主張した。
「市民オンブズマンの活動とその社会的意味」(査読有)単著1999年06月『年報社会学論集』12号(関東社会学会) 84-951990年代以降、注目されている「市民オンブズマン」は、弁護士等を中心とした民間の行政監視団体である。全国市民オンブズマン連絡会議で活躍するオンブズマンらからの聞き取りを中心に、行政監視の実情や、それらの活動に取り組む動機を考察した。その上で本論文では、多数の政治的無関心な成員によって構成されるポスト近代的な社会において、ヴォランタリーな少数の「市民」によって支えられる民主主義の可能性について検討した。
「威光暗示効果を検証する」単著1999年11月  89-96社会調査の質問票づくりにおける注意点のひとつとして、威光暗示効果がある。だが、この効果を実際に検証した例は知られていない。そこで本報告では、この効果について、実際に検証を試みた。データは、面接調査で77件を得ることができた。その結果、今回の調査で使った質問に威光暗示効果を認めることができた。また調査調査者、被調査者の性別については、偏差があるという推測が本研究から可能であった。
「『市民』社会における『ニーチェ』的存在─自己の複数性と統治」(査読有)単著2000年08月『ソシオロゴス』24(ソシオロゴス編集委員会) 45-60「市民」社会について、現在、自発的な統治への参加を称揚する立場からの積極的評価と、単純な参加主義に警戒する評価とが併存する。本稿では、ロールズ、ローティを出発点に、自己の複数性の観点から個体のベクトルのレベルにまで遡って、二つの評価を検討した。「政治」の概念を「市民」概念から解放し、「市民」概念から逸脱した「ニーチェ」的ベクトルに着目することが、二つの評価へのひとつの可能な視点を提供することを明らかにした。
「官僚的病理に対するシステム論的アプローチ─ルーマンにおける社会学的啓蒙の視角」(査読有)単著2001年06月『年報社会学論集』14(関東社会学会) 212-223本稿では、ある住宅コミュニティでのトラブルを事例に、福祉の変容の中での行政の役割とその課題について論じた。事例として取り上げる住宅は、高齢者、身体障害者の世帯が含まれる福祉社会をめざしたモデル的な公共住宅である。この住宅で、ある身体障害者が地域社会から孤立するいうトラブルが起こった。その解決の過程において、その自治体にたまたま存在した苦情に対する審査会が一定の機能を果たした。その是非を検討し、共同性で孤立した個人の救済という福祉社会における行政の役割を明らかにした。
(博士論文)「住民とのコミュニケーションを媒介とした行政の変容─私化社会における民主主義の条件」単著2002年03月東京都立大学  私生活重視が進む社会の趨勢を前提に、住民と行政とのコミュニケーションによる組織の変容について検討した。前半の理論的検討においては、組織社会学の成果を踏まえつつ、合意論、システム論の観点について考察した。その結果、理性的コミュニケーションに一定の意義を見出しながら、そこから逸脱する非理性的な異議申立てに注目する必要を指摘した。だが、組織内のいわゆる官僚的なコミュニケーションが、その対応を阻害する。その成就のために、社会運動の創出するリアリティが重要であることを提示した。こうした理論的検討を基に、後半では、公聴制度、オンブズマン制度、市民オンブズマンの活動を事例に、住民と行政の関係を検討した。その結果、①広聴政策や、オンブズマン制度などの個人のセーフティネットの充実と、その現場の開示が必要なこと、②動員が困難な時代において、相対的に小数の者で有効な社会運動が必要で、そのためには情報公開制度の整備、マスメディアの有効利用、インターネットによるネットワーク活動などが重要性なこと──を指摘し、私化社会における民主主義の条件を示した。
「地域福祉におけるオンブズマン制度の意義─ある住宅コミュニティを事例として」(査読有)単著2003年06月『社会学評論』54(1)(日本社会学会)  82-96ある住宅コミュニティでのトラブルを事例に、福祉の変容の中での行政の役割とその課題について論じた。事例として取り上げた住宅は、高齢者、身体障害者の世帯が含まれる公共住宅である。この住宅でのトラブルの解決の過程において、その自治体に存在した苦情に対する審査会が一定の機能を果たした。その是非を検討し、共同性で孤立した個人の救済という地域社会における行政の役割を明らかにした。
「公共空間としての Web における市民活動の特性─NPO法人・情報公開市民センターを事例として」(査読有)単著2003年06月『年報社会学論集』16(関東社会学会)  78-89インターネット上における市民活動の特性について、NPO法人・情報公開市民センターを事例として分析した。まずネットワーク的活動とインターネット利用との親和性を確認した。次に情報公開市民センターのウェブページの掲示板の書き込み内容を分析し、社会運動体の成員と、対抗団体の成員との役割、立場を越えた「社交」、相互理解を見出した。その上で、公共空間としてのwebの利用をめぐる今後の研究の方向を示した。
「管理社会における電子政府について」単著2006年03月『相愛大学研究論集』22 193-211フーコーの監獄論を出発点に監視社会、とりわけ国家や自治体の電子化の是非について検討した。まずフーコーの監獄論からドゥルーズによる管理社会への理論的流れを整理し、その社会的変化の中での電子政府の特質を明らかにした。また電子政府をまつわる監視社会の問題点を、プライバシーではなくむしろアイデンティティ・ポリティクスの観点に求め、そこに潜むリスクと、そのリスクへの対処について考察した。
「行政主導のまちづくりの功罪─大阪市住之江区を事例に」単著2007年03月『相愛大学研究論集』23 75-96住民と行政との協働の是非を検討するため、大阪市住之江区の「わがまち会議」についてオブザーバーとして参与観察を行い、政策形成のための新たなガバナンスの在り方について分析した。その成果を踏まえ、行政の呼びかけによる会議が住民にとってどのようなメリット・デメリットがあるのかを整理し、他の住民の意思との整合性、無償労働の回避など、会議が地域のまちづくりに有効に機能するための条件を提示した。
「オンブズマン活動と『第三者評価』の違いを探る—介護サービスの質の向上のために」共著2007年03月特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構(意見を交換しながら作成したため、分担箇所は指摘困難。)  厚生労働省の介護サービスの情報の公表や福祉サービスの第3者評価と、NPOによる高齢施設への改善促進型の市民活動との違いと特徴について分析し、まとめた。その結果、情報の公表は網羅性に利点があるものの施設の実態が明らかでない点に、また第3者評価は採用施設が少ない点に問題があり、一方NPOによる活動は網羅性がないものの、具体的な実態を把握し継続的な提言が可能なことに特徴があること──などを明らかにした。
「福井県今立郡池田町―環境先進農村として生き残りをかける」単著2007年04月科学研究費助成プロジェクト『離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究成果報告書・第一輯』(地方自治研究会) 144-155合併せず自立を選択した池田町は、「あたりまえがふつうにある」というフレーズのもと「農村力」による循環型社会をめざしている。福井市内のアンテナショップ「こっぽい屋」出店を契機に「ゆうき元気正直農業」を推進し、NPO「環境Uフレンズ」を中心に生ゴミを堆肥化するなど循環型農村をめざす。過疎のデメリットを転じ環境共生という普遍的テーマに積極的に挑む政策は、課題もあるが今後の展開が期待される。
「高齢者施設の社会的接点─入居者の権利を擁護するための仕組み」単著2008年03月『研究年報』2(相愛大学人文科学研究所)  25-31措置が契約となり、高齢者施設の入居者の立場は変わった。契約関係は、「正気な」個人を前提とする。しかし程度の差こそあれ入居者は、その多くが認知症だといわれる。終身の施設の高齢者の権利は誰が擁護するのか。本小論では、筆者自身の特別養護老人ホームでのフィールドワークの成果をも参考にしつつ、政府による情報の公表制度、自治体による苦情制度、NPOによるネットワーク型活動などの相異について検討した。
「長野県木曽郡大桑村 —ダムと発電所からの脱却への構図」単著2008年04月『離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究成果報告書・第二輯』 34-41いくつかの合併についての検討がなされてきたが、いずれも住民の反対などで実現しないまま、大桑村は単独自治体の道を選んだ。地域自治組織がいまだ活発ではないが、商工会議所が中心になってボランティアで阿寺渓谷の観光開発に取り組む計画が立てられていたり、またある地域の住民が先導し先進的な高齢者支え合いマップを作成していたり、地域自治組織とは異なった住民の自発的な活動の存在に期待される。
「沖縄県八重山郡与那国町—国境という『資源』を切り札に」単著2008年04月『離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究成果報告書・第二輯』 216-225与那国町は2005年に『自立へのビジョン』が策定し、「住民主体の自治」「国際交流」「IT/情報通信基盤の整備」の3つが政策目標として掲げられた。「国境離島」として国際交流をひとつの柱として掲げている点に、与那国町独自の自立の意思が表れているだろう。すでに姉妹都市提携をしている花蓮市との関係、台湾との航路や海路などを求めた国家政府への特区申請など、今後の動向が注目される地域である。
「介護保険制度見直しについての特別養護老人ホーム施設長アンケート調査結果報告」共著2008年04月特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構大阪特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構(意見を交換しながら作成したため、分担箇所は指摘困難。)  大阪府340の特別養護老人ホームの施設長に対するアンケート結果を分析した。実施着きは2008年1月、回収率は48%。その結果、介護保険制度見直しによる財政的な問題、求人の問題など明らかになるとともに、施設の食事、排泄などで工夫も見受けられた。また、外国人労働者の受け入れ、ターミナルケアなどで積極的な姿勢が表れていた。
「支え合う社会をつくる」(パネル・ディスカッション報告)単著2009年03月『研究年報』3(相愛大学人文科学研究所) 35-38シンポジウム「高齢社会をどう生きる」でのパネル・ディスカッションの内容をコーディネーターとして報告した。 ロナルド・ナカソネ氏(スタンフォード大学老人学教育センター教授)、篠﨑敦子氏((社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会「高齢社会を考える会」代表)など4氏を迎え、高齢を病としてではなく自然の生命過程と見ることが重要で、そのために各世代の互いのサポートが重要であるという主張がなされた。
「住民の参加意識」単著2009年03月『総合計画策定のための住民アンケート結果報告書』(兵庫県丹波市) 80-85丹波市が実施した住民アンケートに基づいて、住民の参加意識について分析した。結果、①住民参加を肯定的に考えていても、実際の参加意欲は必ずしも高いわけではない、②総合計画をよく知っているほど参加意欲は高い、③途中他市町村に住んだことがある方が参加意欲は高い、④地区によって参加意欲は異なる、⑤女性、特に「農林業」「主婦」「会社員」を職業とする女性の参加意欲は低い──ことが明らかになった。
「循環型社会システム構築というネットワーク戦略─福井県今立郡池田町の環境政策を事例に」単著2009年08月『離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究成果報告書・第三輯』 15-24池田町の環境政策を事例に、行政によるソーシャル・キャピタルの是非について検討した。有機農法を推奨し、NPOを後押しすることで、その政策は人々のつながりを強化し、生活を活性化させていた。「小さい」というデメリットをメリットに変えるアイディア、それをコーディネートし外部への発信力をつくり出す力が自治体にとって必要であることを、この事例は示している。そこの縮小自治体の将来像を垣間見ることができる。
「小規模自治体の住民参加についての統計的分析」単著2009年08月『離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究成果報告書・第三輯』 167-172小規模自治体を対象にした全国首長アンケート結果に基づいて、首長の住民参加に対する意識を分析した。実際の政策や現実と首長の意識のずれがみられる。たとえば「計画策定への住民参加」にほとんどの首長は賛成だが、実際に総合計画の策定に「公募の住民」が参加していない自治体が多く、とりわけ小規模自治体では策定年を下っても増えていない。こうしたずれについて、今後の政策の見直しを示唆する結果となっている。
「国境離島の苦闘─与那国町の生き残り戦略」単著2010年03月『相愛大学研究論集』26 87-105沖縄県与那国町による外交政策について、その課題と展望を検討した。まず、とりわけ姉妹都市である花蓮市との関係構築のための戦略を、花蓮市の担当者からの聞き取り、住民の聞き取りを通し整理し、その上で、農業、漁業、観光産業の観点からその可能性について分析した。また、防衛と経済活性化のために誘致が検討される自衛隊についての住民の意向を分析し、与那国町にとってのその是非について検討した。
「市民社会におけるアカウンタビリティとその課題」単著2011年03月『相愛大学研究論集』27 53-73情報公開とアカウンタビリティについて、制度的な側面からではなく主に住民の立場から吟味した。具体的な例として情報公開を利用し行政行為に対して批判を行ってきた市民オンブズマンの活動を紹介しつつ、「市民」の生成が情報公開とアカウンタビリティが実質化するための課題であることを示した。また、その教育的課題を論じ、個人化する社会におけるリスクへの対処という、福祉社会における情報公開の位置づけについて論じた。
「高齢者施設のQOLと市民活動」単著2011年03月『相愛大学人間発達学研究』2 9-20特別養護老人ホームを対象に施設の改善を目指して活動しているNPOを事例とし,参与観察に基づいてその意義と可能性について論じ。このNPOの活動会員たちは,月に2回特別養護老人ホームの入居者からの聞き取りを中心に,入居者と施設との「橋渡し」の役割を担っている。その活動は「市民感覚」に基づいて施設へ提言し改善を促し,さらにその争点を外部に移送する。こうした活動は,介護保険法によって方向付けられた契約において,「認知症」と診断された高齢者たちの自己決定を補完する方法のひとつを示していると同時に,高齢化の進む市民社会の新しい在り方を示している。
“Citizen Activities and Accountability: Changing Organizations and Reconstruction of Archives”単著2013年03月“Archives for maintaining community and society in the digital age.”(Koyasan University) 23-31This paper shows the activities of citizen ombudspersons in Japan, arguing, on the basis of interviews and participatory research, the potential of Non-Profit Organizations (NPOs) to reconstruct public archives and facilitate organizational changes.The activities of citizen ombudspersons in Japan are divided into two phases. Since the 1980s, they have scrutinized the utilization of taxes by using Freedom of Information Regulations. Then, since the 2000s, they have practiced other advocating activities, primarily within nursing homes for the elderly.These activities suggest new ways of coping with a civil society. First, they illustrate the significance of accountability of organizations. Second, they represent a new social movement by laypeople as a form of participatory democracy. Finally, they show the transformation of public organizations in the process of interactions with citizens.
「沖縄と自衛隊」単著2014年07月『軍用地と地域社会』成果報告書・第一輯(南西諸島研究会) 95-106米軍基地と同様に、沖縄における自衛隊基地の地域社会への影響について注目しておく必要がある。理由としては、1全国的には自衛隊の比重が大きいこと、2自衛隊基地は、有事の際、米軍が使用することができ、米軍基地に準じて軍事的重要度が高いこと、3仮に沖縄における米軍基地の撤退、縮小が進み、それでも沖縄における基地の必要性が生じた場合、自衛隊がその役割を担うと予想されること──などがある。そこで、これまでの調査の成果を踏まえながら沖縄における自衛隊の全体像、歴史的経緯など、その概要をまとめる。その上で、現在進んでいる先島諸島における自衛隊拡張の状況を確認し、最後に今後の研究の課題について考えたい。こうした検討は、米軍についての議論以上に、沖縄における日本政府とのナショナルな関係を明らかするだろう。
「アジアの中の沖縄」単著2014年07月『沖縄振興の計画と現実』成果研究報告書・第一輯(南西諸島研究会) 83-96SACO合意(1996年)以降、遅々としてではあるが、沖縄の米軍施設は返還の方向に進みつつある。『21世紀ビジョン基本計画』(沖縄県 2012年)では、地理的な位置を踏まえ、将来像のひとつとして「世界に開かれた交流と共生の島」を掲げる。実際、アジアとの観光、物流関係は増大している。本稿では、ネイル・ブルーナー(2004)のリスケーリングの議論を参考に、「沖縄21世紀ビジョン基本計画」に描かれるアジアとの関係について整理した後、資料とヒアリングに基づき、物流、観光を中心にアジアと沖縄との関係を分析した。その上で、台北にある沖縄事務所でのヒアリングの成果について、また与那国町の花蓮市との姉妹都市に基づいた具体的な交流の現状について検討し、さらに、浦添市の米軍軍用地返還跡地計画における国際交流の可能性について考えた。
「沖縄市の地域社会」単著2016年03月『軍用地と地域社会』成果報告書・第ニ輯(南西諸島研究会) 38-47沖縄市は沖縄県中部にあり、戦後、沖縄各地からの移住者が流入し、発展した。接収後のアメリカ軍基地ともに成長し、円安や、米軍人・軍属・家族の民間地域への出入りを禁ずるオフ・リミッツなどに左右されながらも発展してきた。特にベトナム戦争時は、基地労働、また米兵対象のサービス業で活気を呈した。1970年のコザ騒動など、軋轢をへながらも、沖縄県第2の都市に発展した。沖縄市には、現在37区の自治会が存在する。名護市、うるま市と同様に、沖縄市においても質問紙調査を実施し、一部、自治会でのヒアリング調査も行った。本稿では、まず質問紙調査の結果を紹介し、今回は、基地に隣接する知花、センター、山里地区の各自治会長へのヒアリングの成果をまとめ、最後に、毎年開催される沖縄全島エイサーまつりの初日の様子を報告した。
「沖縄と自衛隊(2)」単著2016年03月『軍用地と地域社会』成果報告書・第ニ輯(南西諸島研究会) 105-22米軍基地と同様に、沖縄における自衛隊基地の地域社会への影響について注目しておく必要がある。本稿では、まず、沖縄において自衛隊自衛隊施設を自治体ごとに概観し、それぞれの自治体でのヒアリングについての課題を整理する。そのうえで、かつて、あるいは現在、地域において軋轢が存在する本部町、糸満市、与那国町での調査の報告をすると同時に、現在、配備計画が進んでいる宮古島市の現状を概観し、最後に若干の理論的考察を行った。
「アジアの中の沖縄(2)」単著2016年03月『沖縄振興の計画と現実』成果研究報告書・第ニ輯(南西諸島研究会) 77-94 現在、多くの米軍の軍用地の返還が予定されており、その跡地利用をめぐって県、市町村を中心にさまざまな構想が計画されている。本稿では、沖縄振興計画でのアジア重視について簡単に振り返った後、「中南部都市圏駐留軍用地跡地利用広域構想」を進める、那覇市、沖縄市、宜野湾市、北谷町、北中城村の現状について報告する。次に国際機関やNPOなど沖縄の経済活性化を目指す各種団体の取り組みについて紹介し、前回に引き続き与那国町の花蓮市との関係の現状について報告する。また、普天間基地周辺の普天間宮歴史行列を中心に地域の活性化を図ろうとするNPO、また海外からのクルーズ船の送迎の活動などを中心に米軍港湾基地周辺にある那覇市港エリアの活性化を目指すのNPOを事例に、基地返還と基地経済脱却後の発展を睨みながら、経済活性化を目的に琉球の歴史に根ざした活動の意義を明らかにし、最後にその現状についてリスケーリング論の観点から分析を行った。
(書評)谷富夫・安藤由美・野入直美編著 『持続と変容の沖縄社会:沖縄的なるものの現在』 (ミネルヴァ書房 2014年) 単著2016年06月『地域社会学会年報』第28集(地域社会学会) 121-122「沖縄なるもの」の「個別」を深めながら「普遍的鉱脈」を探ろうと試みた3部構成の「論文集」である。本書は、13の章で、立体的な沖縄理解を目指す。編著者がいうとおり「沖縄なるもの」の「普遍」は本質主義的なものではない。だが、その「普遍」の設定が「個別」の深化の原動力になっている。「沖縄」を課題と考える者、また個別のテーマに関心を寄せる者にも豊かな示唆を約束する一書である。
「沖縄の地域社会と自衛隊」(査読有)単著2017年03月『相愛大学研究論集』33 19-32沖縄における自衛隊に概観し、自衛隊をめぐりかつて国家との軋轢があった、また、現在まさに軋轢の生じている地域を対象に、主にヒアリング調査に基づき、基地配備による地域社会への影響について検討した。第 1 に、本島に比べ離島の方が相対的に経済的活性化の必要性が切迫している現実を改めて確認することができた。第 2 に、地域における利害は人により争点により多様である点が浮かび上がった。第 3 に、各地区の利害は将来におけるリスクが焦点となっていることが明らかになった。とりわけ防衛に関するリスクは、いまだ実在していない将来の安全についての予期から成り立っている。新たな理論的な展開の可能性として、リスク論の概念を手がかりに地域と中央との関係をとらえ直していく必要がある。
「沖縄と自衛隊(3)」単著2017年06月『沖縄県の自衛隊及び米軍所在自治体における地域アソシエーションの実証的社会集団研究 』研究成果報告書・第一輯(地域自治研究会) 13-24沖縄のめぐる議論においては、戦時の記憶を出発点とした研究が多く見受けられる。この人々の経験とその記憶は、どのように現在の行動に結びついているのか、あるいは結び ついていないのか。こうした観点から、まず、宮古島における歴史についてまとめ、自衛隊配備候補地の千代田地区を中心に、ヒアリングの成果を整理しておきたい。糸満市の自衛隊施設に隣接する与座岳周辺の地区について、また、再接収計画に対する反対運動のあった喜屋武地区について、ヒアリングの成果を報告した。
「沖縄市の地域社会(2)」単著2017年06月『沖縄県の自衛隊及び米軍所在自治体における地域アソシエーションの実証的社会集団研究 』研究成果報告書・第一輯(地域自治研究会) 87-94沖縄市域には、嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫など、市域の約36%をアメリカ軍基地が占め、地域社会にも、いまだに影響を与えている。また、集落を接収された旧字の住民が、郷友会を結成し活動している。本稿では、沖縄市の北に位置し、自衛隊基地が所在する池原自治会と、ダムに水没し、沖縄市を中心に活動を続ける倉敷郷友会の現況について、主にヒアリングに基づき報告した。
「沖縄と自衛隊(4)」単著2018年06月『沖縄県の自衛隊及び米軍所在自治体における地域アソシエーションの実証的社会集団研究 』研究成果報告書・第ニ輯(地域自治研究会) 13-20沖縄における自体対施設の地域社会への影響を鑑み、これまで、沖縄の地域社会と自衛隊について分析、報告してきた。本稿では、引き続き宮古島市で行った、旧上野村の高田区、野原区、旧平良市の七原区において、主に区長を対象にした匕アリング調査に基づいて、自衛隊をめぐる地域の記憶と現状について報告した。
"Creating the Unity of a Community through Collective Memory"単著2019年03月『人文学研究』第4号 22-26Area, common ties, and social interaction are important elements in definitions of community. However, it is possible for a community to become liberated. In this presentation, I intend explaining how collectiveness of memory is used to bond people and revive a community, especially with the occurrence of an external material event. For this, the works of Bergson (1896) and Halbwachs (1950) on memory have been explored. The results of the study are obtained fieldwork in Miyako Island, on construction of a new base of the Self-Defense Force.Collective memory does not appear normally. However, it will be played through the interactions of people when given the stimulus of an external force. Its force results in the collectiveness of memory of people, and it clearly revives a community just for a moment. In this case, the acting material is the construction of a new base. It is believed that Bergson's memory theory reveals such a truth even though Halbwachs criticized Bergson's theory as being subjective.
「沖縄市の地域社会(3)」単著2020年02月『軍事基地跡地利用の日独比較研究─沖縄の補償型振興開発の計画と現実』(地域自治研究会)難波孝志編59-72旧コザ市(現沖縄市)の土地の多くは、越来村時代に旧日本軍に接収され、戦後、アメリカ軍により、嘉手納基地として使用されている。旧住民は、字単位で郷友会を結成し、沖縄市を中心に活動を続けている。本稿では、主にヒアリングに基づいて、全域を米軍に接収された青那志、森根、白川、大工廻、嘉良川、御殿敷、仲原地区、また部分的に米軍に接収された山内、諸見里、上地地区の自治会、郷友会の実情について報告した。
「沖縄と自衛隊(5)」単著2020年02月『軍事基地跡地利用の日独比較研究─沖縄の補償型振興開発の計画と現実』(地域自治研究会)難波孝志編73-96沖縄における自体対施設の地域社会への影響を鑑み、これまで、沖縄の地域社会と自衛隊について分析、報告してきた。本稿では、米軍基地からコンバージョンされた自衛隊基地が所在する、金武町屋嘉地区、恩納村谷茶地区、また新たな基地が建設された国頭村伊地地区、与那国町、さらに姉妹都市である花蓮市、計画がある石垣市、また、沖縄の離島とともに建設が進行中の奄美大島の大熊地区、節子地区について取り上げたい。その際、地域の歴史、記憶と地域社会とのかかわりについても着目し、市町村史、字誌などの記述についても随時、整理を行った。
「アジアの中の沖縄(3)」単著2020年02月『軍事基地跡地利用の日独比較研究─沖縄の補償型振興開発の計画と現実』(地域自治研究会) 難波孝志編97-105那覇市港エリアは、琉球王時代、中国、南アジア、日本との交流の要衝の地であり、久米36姓の居住地でもあった。また返還予定の米軍港湾基地周辺に位置するとともに、戦中、激しい空襲遭い、戦後、米軍に全地区、接収され、返還後もAサイン店が密集するなど、米軍と深くかかわってきた。接収、返還という2つコンバージョンの契機をへて、かつてのアジアとの関係を理念に地域づくりを目指している。本稿では、沖縄とアジアとの関係のテーマを念頭に、この本庁地区の地域社会に焦点を当て、自治会の取り組み、市民セクターの取り組みなどを報告した。
「地域社会における記憶の集合性─宮古島の自衛隊配備と記憶論」単著2020年03月『人文学研究』5号 1-16宮古島市への陸上自衛隊配備計画の地域社会への影響を、主に配備地の区長からのヒアリングを基に、主に集合的記憶論によって分析し、宮古島の地域社会の現状を概観するとともに、記憶論の理論的可能性について検討した。
「沖縄と自衛隊(6)」単著2021年08月『軍用地コンバージョンの国際比較―沖縄の基地移転と跡地再開発をめぐる地域社会研究』(地域自治研究会)難波孝志編147-180沖縄における自体対施設の地域社会への影響を鑑み、これまで、沖縄の地域社会と自衛隊について分析、報告してきた。本稿では、米軍施設の中に自衛隊施設がある、うるま市平敷屋地区、また新たに陸上自衛隊が配備された与那国町、配備計画がある石垣市、また、沖縄の離島とともに陸上自衛隊が配備された奄美大島の大熊地区、節子地区について取り上げ、主に公民館などでヒアリング調査に基づいて報告した。
「東京と軍事施設」単著2021年08月『軍用地コンバージョンの国際比較―沖縄の基地移転と跡地再開発をめぐる地域社会研究』(地域自治研究会)難波孝志編59-80東京都内には、米軍、自衛隊による軍事施設が存在し、旧日本軍のものを含め、数多くの軍用跡地が存在する。。そのため、騒音、事故など、住民に対する実害、不安があり、日本政府、米軍に対して、自治体を中心に継続的に要望書が提出されている。一方で、返還された跡地は、公園、住宅、商業地などに利用され、首都としての東京に多大の機能を提供してきたことも否定できない。忘れられがちな軍都としての東京と、そこで生活する住民との関係について検討することは、極めて興味深い社会学的テーマである。本稿では、まず、東京における軍事基地、軍用地について、簡単な経緯を辿り、その後、米軍、自衛隊の現状の軍事基地について整理を試みた。その上で、端緒として、現在も運用が継続する横田基地、立川飛行場について、昭島市、立川市でのヒアリングに基づいて報告し、今後の課題について提示することにした。
「首都圏と軍事施設」単著2021年08月『軍用地コンバージョンの国際比較―沖縄の基地移転と跡地再開発をめぐる地域社会研究』(地域自治研究会)難波孝志編49-57首都圏は、軍事施設の新設、改廃に伴って、複雑多岐なコンバージョンを繰り返してきた。その変遷は、地域社会に大きな影響を及ぼしてきた。それらの連関を明らかにすることは、社会学にとって、ひとつの重要な課題である。本稿では、まず、とりわけ明治以降の軍事施設の新設、改廃を促す要因を簡単に整理し、資料により、現状を概観し、神奈川を中心として、これまでの研究の進展状況を報告した。
講演会
題目年月概要
(学術講演)「西洋社会学の歴史」(東京都立大学)2003年06月ミッシェル・フーコーの業績を辿り、その系譜学的、考古学的記述の社会分析に対する意義について論じた。その上で、快楽と節制の均衡の観点を、現代の食文化に援用し、消費社会と連動した美食の追求、国家の保護のための食育、家族を中心とした連帯、自律のための節制の4つに、食の指向性の在り方を分類し、社会的記述を分析概念に組み替え、社会を分析することの重要性を主張した。
(招待講演)「戦後70年の沖縄」(大阪市中央区人権啓発推進協議会学習会) 2015年06月沖縄全体の軍事施設の現状を概説した後、2つの離島を具体的事例として紹介した。伊江島は、その3分の1が米軍施設を占め、いまも住民の生活に大きな影響を与えている。与那国では、陸上自衛隊の新たな配備が進み、島を2分し、激しい論争が生じている。これらの事例を通し、平和を維持するためのコスト、防衛についての地域間の負担の不公平さなどについて検討した。
その他
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
(学会報告)「R.ローティの会話的合理性について」単著1994年11月第67回「日本社会学会」大会、一般研究報告・学史・学説、於・同志社大学  R.ローティの「会話的合理性」の強調は、「事実」を客観的に描写するといういわゆる「鏡の理論」に対する異議申し立てである。これは、対話の内容に「真理」を見いだそうとするハーバーマスと、ある意味で一致する点である。しかし、対話の理論的基礎付けを求めるハーバーマスに対し、ローティは会話の継続性に合意の可能性を求める。この主張が、社会学における具体的場面での会話分析の重要性を示していることを、本報告では指摘した。
(学会報告)「経験の社会的構成について」単著1995年09月第68回「日本社会学会」大会、一般研究報告・理論、於・東京都立大学  W.ジェームズの論じる主観と客観の分岐以前の「純粋経験」は、社会的相互行為によって構成される以前の「経験」でありうるだろう。この「経験」は「社会」において必ずしも「常識」とはみなされない「経験」でもある。それゆえ逆に、それは社会的「常識」の変容の契機ともなる。本報告では、こうした構成以前のリアリティに着目するジェームズの経験論に、社会の動態性の契機を求めた。
(学会報告)「社会的構成と疎外」単著1995年12月第12回「日本現象学・社会科学会」一般研究報告、於・東洋大学  社会構成主義は、社会のリアリティが人々によって構成されるとし、人々の相互行為に特に着目する。しかし、過度に相互行為に着目することは、相互行為から疎外されたリアリティを見逃すことにもなるだろう。「客観的な社会的事実」から疎外されたリアリティは、「常識」の変容の契機であるとともに、「社会」からの「逃避場」でもある。本報告では、リアリティのこの後者の「逃避場」としての重要性を論じた。
(学会報告)「行政のディレンマ─ 広聴政策の有効性をめぐって」単著1996年11月第69回「日本社会学会」大会、一般研究報告・情報・コミュニケーション、於・琉球大学  大都市の広聴担当者からの聞き取り調査で、行政に寄せられる苦情を「要望型」「問い合わせ型」「行政マニア型」「対応不可能型」の4つに分類できることが示された。特に「行政マニア型」「対応不可能型」に分類できる苦情は、ときに行政によって黙殺されがちな苦情であるといえるだろう。それゆえ、調査の結果を踏まえ本報告では、行政の苦情対応に着目することの重要性と、その行政の対応の是非を分析していく必要性を指摘した。
(学会報告)「住民と行政─オンブズマン制度をめぐって」単著1997年11月第70回「日本社会学会」大会、一般研究報告・権力・政治、於・千葉大学  990年代から注目されている「市民オンブズマン」は、弁護士等を中心とした民間の行政監視団体である。全国市民オンブズマン連絡協議会で活躍するオンブズマンらからの聞き取りを中心に、行政監視の実情や、それらの活動に取り組む動機を考察した。その上で本報告では、多数の政治的無関心な成員によって構成される社会において、ヴォランタリーな少数の「市民」によって支えられる民主主義の可能性について検討した。
(学会報告)「リアリティの<多元化>について─個別性としての『純粋経験』」単著1998年06月第46回「関東社会学会」大会、自由報告部会、於・日本大学  ジェームズの下位宇宙論を、シュッツの多元的リアリティ論と比較しつつ分析し、リアリティの複数性について検討した。その上でリップマンの「疑似現実」との対比から、ジェームズの「純粋経験」の概念の社会学的意義を明らかにした。その検討において、意味以前の経験を想定する「純粋経験」の概念を、「他者」をめぐる議論に援用するとき、ステレオタイプ化を回避する理論的構図を提示することが可能であることを主張した。
(学会報告)「オンブズマン制度の効果」単著1998年11月第71回「日本社会学会」大会、一般研究報告・権力・政治、於・関西学院大学  日本においてオンブズマン制度は、一般オンブズマンと特殊オンブズマンに分岐し、地方自治体において発展してきた。しかし、その限界から各地で市民オンブズマンが、弁護士等を中心とした民間の行政監視団体として定着している。その両者を、オンブズマンへのインタビュー調査を基に比較し、政治的無関心な成員によって構成されるポスト近代的な社会における、民主主義の可能性について検討した。
(学会報告)「市民社会におけるニーチェ問題─ローティのロールズ再解釈を手がかりに」  1999年10月第72回「日本社会学会」大会,一般研究報告・理論,於・上智大学  非合理的行為について検討した。その検討において、個体をベクトルの複合としてとらえ、自己の複数の観点の導入が必要であることを主張した。その上で、「政治」の概念を「市民」概念から解放し、「市民」概念から逸脱した「ニーチェ」的ベクトルに着目することが、二つの評価へのひとつの可能な視点を提供することを明らかにした。
(学会報告)「福祉社会における行政の役割─ある住宅コミュニティを事例に」単著2000年06月第48回「関東社会学会」大会、自由報告部会、於・東洋大学  ある共同住宅を事例として、この観点から福祉社会の議論において残された課題について検討した。事例として取り上げた住宅は、高齢者、身体障害者を含む世帯が含まれた福祉社会をめざしたモデル的な公共住宅である。この住宅で、ある身体障害者が近隣とのトラブルの解決に関わった自治体に存在する苦情審査制度の機能を分析することで、福祉社会において残された地方自治体の役割のひとつを明らかにした。
(学会報告)「オートポイエティックな行政システム」 2000年11月第73回「日本社会学会」大会 、一般研究報告・理論、於・広島国際学院大学  ルーマンのシステム理論に沿って、官僚的病理とその病理に対する社会運動の効果を検討した。まずルーマンの初期における官僚制分析から官僚内部に存在する「思いやりの体系」を摘出し、その体系を、ルーマン後期のシステム理論によって再定式化した。その上で具体的な事例として警察官僚の不祥事を取り上げ、官僚制の内部のコミュニケーションの問題を指摘し、社会運動による外部的リアリティの意義について論じた。
(学会報告)「公共圏としての Web における市民活動の特性」単著2002年06月第50回「関東社会学会」大会、自由報告部会、於・法政大学  NPO情報公開市民センターを事例に、インターネットの活用の利点、限界点について検討した。同センターの web 利用は掲示板の活用、ノウハウの伝達、活動の報告など、多層化した Web 利用の可能性を駆使している。とりわけ掲示板における行政職員と市民オンブズマンとのコミュニケーションには、インターネットが可能にする組織の壁を越えた関係を示唆していることを示し、市民運動の web 利用における新たな特性を提示した。
(学会報告)「NPOと批判性─情報公開市民センターを事例として」単著2002年11月第75回「日本社会学会」大会、一般研究報告・社会運動、於・大阪大学  NPO法の成立以来、NPOが行政の下請け機関として機能しており、社会運動独自の社会変動への意義が失われる可能性を指摘した。その上で、市民オンブズマンが設立したNPO法人である情報公開市民センターの活動における批判性を提示し、NPO法人という公的な機関を選択しながらも、社会変動への意義が必ずしも失われることがないことを示し、批判性の担保こそ、日本の市民社会におけるNPO の今後の展開において重要であることを主張した。
(学会報告)「電子政府は効率的システムか、監獄か?」単著2003年10月第76回「日本社会学会」大会・理論2、一般研究報告、於・中央大学  国家や自治体の電子化の是非について、主にフーコーの監視社会論の観点から検討した。まずフーコーの監獄論からドゥルーズによる管理社会への理論的流れを整理しつつ、その社会的変化の中での電子政府の特質を明らかにした。また電子政府をまつわる監視社会の問題点を、プライバシーよりむしろアイデンティティ・ポリティクスの観点に求め、そこに潜むリスクと、そのリスクへの対処について考察した。
(学会報告)「市民的リフレクションの実践─ O-ネットの活動」単著2006年10月第79回「日本社会学会」大会、一般研究報告・福祉・保健・医療 (4)、於・立命館大学  措置が契約となり、高齢者施設の入居者の立場は変わった。契約関係は、「正気な」個人を前提とする。しかし程度の差こそあれ入居者は、その多くが認知症だといわれる。終身の施設の高齢者の権利は誰が擁護するのか。本小論では、筆者自身の特別養護老人ホームでのフィールドワークの成果をも参考にしつつ、政府による情報の公表制度、自治体による苦情制度、NPOによるネットワーク型活動などの相異について検討した。
(研究会報告)「高齢者施設においてコミュニケーションについて考える」単著2007年10月「日本社会学史学会」関西研究例会、於・京都橘大学  高齢者施設に対する評価活動をするNPOを事例に、情報活動を主にする市民活動を情報社会におけるメディアとして分析した。事例としたNPOは、特別養護老人ホームでの高齢者からのヒアリングにより施設の質の向上をめざすことで、入居者の要望・苦情を施設へ橋渡しする役割、「認知症」と診断された者の自己決定の在り方を社会的な文脈に位置づける機能などを果たしている。その上でNPOと情報との関係を、情報社会という枠組みの中でとらえ直した。
(公開講座)「超高齢社会の息吹─施設の社会的接点」単著2007年10月相愛大学  日本における高齢化の現状について、統計資料を用いつつ概説し、その課題を提示した。その上で、高齢者施設における評価活動を行っているNPOでの事例観察を基に施設における課題を紹介し、市民活動による組織の評価活動の現状を示した。また、その観点から単身世帯が増加する日本の社会における制度的な改善の必要性、その改善の中でのNPOなどによる市民活動の役割について講じた。
(第9期 市民オンブズマン養成講座)「超高齢社会の中で─オンブズマン活動で見えてきたもの」単著2008年04月特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構  高齢社会の現状を概説するとともに、新たな入会希望者に対して、活動の内容について説明を行った。まず、高齢施設における評価活動の意義を3つの観点から説明し、その後、とりわけ認知症利用者とのコミュニケーションの困難さ、また職員、家族以外の第3者の意義などについて概説した。最後に、実際の活動体験に基づいて、活動自体のやりがいやNPOの抱える課題などについて講じた。
(学会報告)「行政主導のまちづくりの条件」単著2008年05月第33回「地域社会学会」大会、於・東京学芸大学  大阪市住之江区の「わがまち会議」について、オブザーバーとしての観察に基づいて、行政が中心となって行うまちづくりの是非について検討した。その検討において第1に、こうしたまちづくりが住民参加の形をとりながら結局、行政の思惑通りのまちづくりになってしまわないこと、第2に、その住民の代表者の決定は、住民の見解と整合性をもたせること、第3に住民の無償労働をむやみに進めないことなどの課題を主張した。
(学会報告)「メディアとしての市民活動─高齢者施設入居者の意思をめぐって」単著2008年06月第59回「関東社会学会」大会、於・首都大学東京  高齢者施設に対する評価活動をするNPOを事例に、情報活動を主にする市民活動を情報社会におけるメディアとして分析した。事例としたNPOは、特別養護老人ホームでの高齢者からのヒアリングにより施設の質の向上をめざすことで、入居者の要望・苦情を施設へ橋渡しする役割、「認知症」と診断された者の自己決定の在り方を社会的な文脈に位置づける機能などを果たしている。その上でNPOと情報との関係を、情報社会という枠組みの中でとらえ直した。
兵庫県丹波市市民会議ファシリテーター共著2008年06月兵庫県丹波市  地方自治研究会のメンバーとともに、兵庫県丹波市総合計画策定のための市民会議にファシリテーターとして参加した。丹波市の各地の施設で全5回、公募の市民に交じり、議論した。まず基本データとする住民による住民調査のための質問票の作成に協力し、意見を交換した。実際に5,000人の住民をサンプルに調査を行った後、単純集計を行い、その結果を分析し、報告書にまとめ提出した。(平成21年3月まで)
(パネル・ディスカッション・コーディネーター)「支え合う社会をつくる」(相愛大学120周年記念事業・シンポジウム「高齢社会をどう生きる」)共著2008年11月相愛大学  高齢社会の在り方を検討するため、以下の4名のパネリストを招き、ディスカッションを行い、会場との質疑応答を行った。パネリストは、釈徹宗氏(兵庫大学准教授)、 ロナルド・ナカソネ氏(スタンフォード大学老人学教育センター教授)、川上正子氏(特定非営利活動法人「介護保険市民オンブズマン機構大阪」理事)、篠﨑敦子氏((社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会西日本支部「高齢社会を考える会」代表)の4名。
(第10期 市民オンブズマン養成講座)「市民オンブズマン活動の概要と魅力」単著2009年07月特定非営利活動法人・介護保険市民オンブズマン機構  高齢社会の現状を概説するとともに、新たな入会希望者に対して、活動のやりがいについて情報のメディアとしての役割という観点から説明した。まずマス・メディアや電子メディアに限定されがちなメディアが、媒介という意味である点を確認し、情報を伝達すること自体に知識の蓄積や、同じことに関心を持つ仲間とのコミュニケーションの楽しさを活動の体験から示し、こうした動機付けがNPOの存在を支えていることを論じた。
(出張講義)「社会統計学とアンケート作成」単著2009年08月日本消費者センター関西支部  高齢社会についてアンケートを企画する日本消費者センター所属者による研究会で、社会調査の基礎を講義した。社会調査の種類や手法を概説した後、調査票作成の方法、留意点、またサンプリングのやり方、簡単な統計分析の方法などについて説明した。最後に、実際に作成中のアンケート票についてコメントをし、会員からのアンケート作成法や、サンプリングについての質問に対して、回答した。
(学会報告)「変動期社会における離島および山村地域の課題─非合併自治体における戦略的『外部』関係」単著2009年10月第80回「日本社会学会」大会,一般研究報告、於・立教大学  平成大合併で合併しなかった自治体の戦略を、統計的分析とフィールドワークによって分析した。まず、全国の小規模自治体への首長アンケートに基づいて、経済、自治、人材などの側面から非合併自治体の現状を明らかにした。その現状に対する対策として、福井県池田町、長野県大桑村、沖縄県与那国町での調査から、小規模自治体の戦略として、住民と協働に基づいて独創的なアイディアによる政策が重要であることを指摘した。
(研究会報告)「官僚組織は開放システムか」単著2009年10月「日本社会学史学会」関西研究例会、於・京都橘大学  自著『個人化する社会と行政の変容』の全体の概説をしたあと、ルーマンのシステム理論に基づく組織分析の部分に焦点を当て、組織を閉鎖システムととらえるべきか、開放システムととらえるべきか、という論点を提示した。その上で開放システムととらえることの意義を認めながらも、閉じたシステムととらえることで、間接的な市民活動の組織の影響力についての説明が可能である点を主張した。
(学会報告)「行政主導のNPOの可能性─福井県池田町の環境政策を事例に」単著2010年03月第12回「日本NPO学会」大会、於・立命館大学  農業による循環型システムの構築を目指す池田町を事例に、過疎山村の生き残り戦略について検討した。福井市内のアンテナショップ「こっぽい屋」出店を契機に「ゆうき元気正直農業」を推進し、NPO「環境Uフレンズ」を中心に生ゴミを堆肥化するなど循環型農村をめざす。過疎のデメリットを転じ環境共生という普遍的テーマに積極的に挑むこの政策を、分権化時代の地域の戦略として評価し、その展開を展望した。
(学会報告)"The Activity of Civil Ombudspersons in Japan: Changing Organizations and Reflexive Modernity"単著2010年07月XVII ISA World Congress of Sociology, Gothenburg, Sweden.  This presentation aims to show one of the activities of civil Ombudspersons , arguing, on the basis of participating research for five years, the significance and potentiality of a Non-Profit Organization (NPO) to encourage improvements in the environment for tenants in special nursing homes for the elderly in Japan. These activities suggest new ways of coping with aging civil society. At first these activities also show a mean of sub self-decisions of the elderly regarded as having "dementia." Secondly they mean the new social movements by amateurs as a participation democracy (U. Beck). At last they show the situations of the changing organization in a Self-Reflective Society (A. Giddens) .
(学会報告)「与那国の対外戦略─変貌する沖縄離島社会(6)」単著2011年09月第82回「日本社会学会」大会,一般研究報告、於・関西大学  グローバル化の中で離島社会がいかなる現状にあり、どのような課題を持つのかを、与那国を事例に検討した。とりわけ国境に位置するという地理的特質を鑑み、海外との今後の関係を展望した。具体的には、フィールド調査の結果に基づき、台湾の花蓮市との直接交流の試みや、自衛隊誘致の動向に着目し、その分析を通じ離島社会の生き残り戦略にとって、ナショナルな関係がいかなる意味を持つかについて明らかにした。
(学会報告)"Citizen Activities and Accountability: Changing Organizations and Reconstruction of Archives"単著2012年02月The 40th World Congress of the International Institute of Sociology India Habitat Centre, Delhi, India  This presentation shows the activities of citizen ombudspersons in Japan, arguing, on the basis of interviews and participatory research, the potential of Non-Profit Organizations (NPOs) to reconstruct public archives and facilitate organizational changes. These activities suggest new ways of coping with a civil society. First, they illustrate the significance of accountability of organizations. Second, they represent a new social movement by laypeople as a form of participatory democracy. Finally, they show the transformation of public organizations in the process of interactions with citizens.
(公開講座)「与那国と自衛隊」単著2013年11月相愛大学  日本最西端にある与那国町を事例に、国境自治体におけるコスモポリタニズムの可能性を検討した。与那国町では姉妹都市である台湾の花蓮市との交流が進展する一方、主に経済的理由による自衛隊誘致についての議論が町民を二分している。財政逼迫による地域助成の縮小から、容易に平和的関係が開花せず、国家に頼らざるをえない日本社会の現状を明らかにし、与那国町の今後の課題を検討した。
(学会報告)"Civil Activities in Border Areas: Yonaguni Community’s Strategy for Survival"単著2014年07月XVIII ISA World Congress of Sociology, Pre-ISA Conference on Social Movement, Yokohama.  This presentation depicts the situation of Yonaguni Island on the basis of interviews and fieldwork research, and it examines the community’s regional strategy to survive on a national border in East Asia, considering Ulrich Beck’s theory of cosmopolitanism. Beck (2002) asserts the importance of transition from nationalism to cosmopolitanism. The present study, however, explicitly addresses the differences between the international situations of Western Europe and East Asia. It is difficult to engage in cosmopolitan thinking in areas where military tensions are high. Nevertheless, this study suggests the significance of doing so, especially for communities along national borders.
(学会報告)「基地経済と国際性─軍用跡地利用と沖縄地域社会(6)」単著2014年11月第87回「日本社会学会」大会、一般研究報告、於・神戸大学  返還跡地開発計画における国際的側面に注目し、基地経済からの脱却を目指す自治体の構想をリスケーリングの観点から分析し、その可能性、問題、課題などについて検討した。これらの計画で、リスケーリングは進むためには、少なくともいくつかの課題がある。第1に、返還そのものがいつになるか定かではない。第2に、たとえ返還されたとしても、利用について地主の合意を得ることがなかなか難しい。こうした不確定さが、その進展のネックとなっている。Brennerの対象としたEUと異なり、東アジアでは軍事という国家的側面が重くのしかかっているといえる。
(学会報告)「自衛隊と沖縄の地域社会」単著2015年09月第88回「日本社会学会」大会、於・早稲田大学  沖縄の軍用地の問題は米軍を中心に議論されるが、地域社会への影響は約40箇所近くある自衛隊施設についても検討することが重要である。その理由として、①全国的には自衛隊の比重が大きい点、②有事の際、米軍が使用することができ、米軍基地に準じて軍事的重要度が高い点、③仮に沖縄における米軍基地の撤退、縮小が進み、それでも沖縄における基地の必要性が生じた場合、自衛隊がその役割を担うことになると予想される点などがある。本報告では、沖縄の自衛隊基地の現状を概観し、その地域社会への影響を検討した。自衛隊基地の軍用地もまた地域社会に対して大きな影響を持つ。米軍基地が縮小されようとしている一方で、沖縄にも自衛隊は存在し、さらに拡張されようとしている。南西地域の島嶼部に陸上自衛隊配備が進む中、地域社会への影響についての検討は、今後の重要な課題であり、いまは相対的に僅かであるとはいえ、十分に把握し、その課題について議論していく必要がある。
(公開講座)「アジアの中の沖縄」単著2016年02月相愛大学  古代、グスク時代、古琉球以来の沖縄の歴史を辿ることで、アジアでの沖縄の位置づけを行い、その上で米軍基地の現状と課題を整理した。続いて、こうした地理的位置、歴史、現状を踏まえつつ、基地返還後のまちづくりのために、地元、商工業者、役所を仲介し活動する2つのNPOの役割について検討した。普天間門前まちづくり期成会は、日常的な活動の傍ら、複数の自治会とともに歴史絵巻行列を主催し、多くの観光客を得ながら普天間飛行場返還後の商店街の活性化を目指す。ナハ・シー・パラダイスは、那覇軍港に隣接する同じく複数の自治会とともに、海外からのクルーズ船に対しエイサーなど送迎イベントを行う他、年少者の教育指導などに努め、観光を中心としたウォーターフロントの活性化を企てる。ともに琉球時代からの歴史を踏まえつつ、基地依存脱却を目指し、政策提言を含めた活動を通じて、地域、産業界、行政をつなぐ市民セクターの意義を明らかにしている。
(学会報告)「沖縄の基地脱却とNPOの役割」単著2016年03月第18回「日本NPO学会」大会、於・同志社大学  地理的位置、歴史を踏まえつつ、基地返還後のまちづくりのために、地元と商工業者と行政とを仲介し活動するNPOを事例に、沖縄の基地経済からの脱却のためのその役割と意義について検討した本報告で取り上げた2つのNPOは、イベントを中心に地域づくりのために積極的に活動している。普天間門前まちづくり期成会は、日常的な活動の傍ら、複数の自治会との協力のもと、「歴史絵巻行列」を主催し、市長、副知事、沖縄防衛局長、米軍普天間基地司令官など沖縄政治のキーパーソンをゲストに迎え、多くの観光客を得ながら、基地返還への働きかけと返還後のまちの活性化を訴えている。また、ナハ・シー・パラダイスは、同じく複数の自治会の協力のもと、海外のクルーズ船の送迎イベントを中心に、年少者の教育指導、また地域を支えていく人材育成を努めつつ、アジア諸国からの観光による発展をめざしている。ともに、琉球時代からの歴史を踏まえつつ、基地依存脱却をめざし、政策提言を含め地元や行政に働きかけながら、地域の活性化のための活動を続けている。確かに、市民セクターだけで、沖縄の「問題」が解決するわけではない。しかしながら、これらの活動は、沖縄の発展にとって独自な観点を含むと同時に、地域、産業界、行政をつなぐ市民セクターの意義を明らかにしている。。
(学会報告)「宮古島の物質と記憶」単著2017年10月「日仏社会学会」大会、於・一橋大学  宮古島市への陸上自衛隊配備計画の地域社会への影響を、主に集合的記憶論によって分析し、宮古島の地域社会の現状を概観するとともに、地域分析におけるベルクソンの記憶論の理論的可能性について検討した。
(学会報告)「陸自配備計画と宮古島の地域社会─沖縄の自治会と自衛隊基地(2) 」単著2017年11月第90回「日本社会学会」大会、於・東京大学  沖縄の軍用地の問題は米軍を中心に議論されるが、地域社会への影響は約40箇所近くある自衛隊施設についても検討することが重要である。本報告では、宮古島での現状を概観し、地域社会への影響を検討した。自衛隊基地の存在、建設計画は地域社会に対して大きな影響を持つ。必ずしも賛否は一枚岩ではなく、戦時、戦後の記憶も一様ではないが、局所としての地域の意思の表明母体として自治会は機能している。南西地域へ配備が進む中、地域社会の影響についての比較、検討は、今後の重要な課題である。
(学会報告)"Creating the Unity of a Community Through Collective Memory"単著2018年07月XIX ISA World Congress of Sociology, RC03 Community Research, Toronto  This study shows the way in which collective memory is used as a constituent part of community cohesion, especially after the occurrence of a disruptive event. For this, the works of Bergson (1896) and Halbwachs (1925) on memory have been explored. The results of the study are obtained through fieldwork in Miyakojima, a remote island of Okinawa, Japan. The community keeps its unity in various ways. However, the key element is collective memory. It can clearly revive, given the stimulus of an external force.
(公開講座)「沖縄の軍用地と郷友会」単著2019年07月相愛大学  米軍上陸後の沖縄戦を概観した後、現在の沖縄市域の集落の人々の戦前の暮らしについて紹介した。また米国に接収された土地をめぐる闘争について、米軍統治、日本復帰という戦後の歴史と関連づけながら概説した。こうした歴史的経緯の中で、現在の嘉手納飛行場及び嘉手納弾薬庫に集落を形成していた人々及び子孫により郷友会が結成された。本講座では、そのうち現在の沖縄市域に集落があった郷友会について検討した。沖縄戦で私有地が接収され、基地の存在で多くの土地が未返還となっている。かつての集落の住民は、土地がなくなった後も、郷友会を結成し、共同性を継続しようとしている。軍用地の中の共有地への地代は、共同性の維持に対する、ささやかな支えになっているといえる。
(学会報告)「自衛隊基地と地域社会─奄美大島への陸上自衛隊配備をめぐって」単著2019年10月第92回「日本社会学会」大会、於・東京女子大学  南西諸島の基地の問題は米軍を中心に議論されるが、新たに建設された自衛隊基地の地域社会への影響についても検討することが重要である。本報告では、奄美大島での現状を概観し、沖縄での建設と比較しつつ、地域社会へのその影響を検討した。奄美大島への自衛隊配備容認の状況は、与那国、宮古島、石垣など沖縄の地区と大きな違いがある。配備が集落から離れていることが、ひとつの要因と考えられる。だが、沖縄本島の国頭村の伊地地区の場合、同様に集落から離れたところにレーダー基地が建設されたが、最終的には条件付きで容認されたものの、当初は大きな反対があったという。その違いの理由として、戦争、復帰における歴史的な経緯や、米軍基地の存在などが想定される。こうした奄美大島の配備の状況を知ることで、沖縄独自の状況もまた、浮かび上がっている。
(学会報告)「郷友会の共同性と接収地補償─旧コザ市の字有地をめぐって」 単著2021年05月第46回「地域社会学会」大会、於・北海道大学(オンライン開催)  旧コザ市(現沖縄市)の多くの土地は、嘉手納基地(旧日本陸軍中飛行場)によって接収された。かつての住民による郷友会の現在の活動を通して、その共同性の条件について検討し、共有地に対する軍用地料の意味と接収補償の妥当性について考えた。共有地に対する軍用地料は、相互行為、紐帯を創発し、地域コミュニティでの共同性の補償の意味を帯びている。一方で、認可地縁団体に対する羨望や、ふるさと会館の要望は、地理的エリアへの渇望を意味しており、共同性に対する補償の不十分さを表している。
資金等受入状況
研究資金
開始年月終了年月事項金額内容
2006年04月2009年03月科学研究費基盤研究(B) 「変動期社会における離島および山村地域の政策課題に関する実証的研究」 12900000本研究は二つの部分から成る。一つは離島や山村地域の現地における聞取り調査で、これは行政関係者および地域指導者に対するヒアリング、もう一つは主として人ロー万人以下の小規模自治体および法定の離島や山村を抱える自治体の首長に対するアンケート調査である。前者における当面の成果としては、国から"強いられた"「合併」、また財政支援が澗渇する中で地方自治体およびそれぞれの地域社会がさまざまな創意と工夫によって生き延びていこうとする意欲の旺盛さの発見である。また後者の成果として尚十分な解析が進んではいないが、国の法令によるさまざまな制約の中でそれぞれの「自治」を如何に確立していくかの苦闘の姿を垣間見ることが出来た。その中でも「農地法」「農振法」「都市計画法」そして「補助金にかかわる予算の執行の適正化に関する法律」などが、かれらの最大の問題であることが判明した。 研究分担者(研究代表者:佛教大学 教授 青木康容)
2009年04月2010年03月日本証券奨学財団研究調査助成「離島振興策に見る政府間関係の行政社会学的実証研究」1000000沖縄県においては、那覇をいわば中央政府として周辺の離島市町村が地方政府となるといった重層的な構造があり、かつ先島諸島などにおいては離島間に “格”意識が潜在するなど複雑な状況を呈している。竹富町では竹富島のリゾート施設建設問題をめぐり自治公民館が主要アクターとなって地域社会の葛藤を生み出した。与那国町では姉妹都市提携の台湾花蓮市に連絡事務所を開設し、自治体外交をめざす「国境特区」の申請、また地域経済活性化をめざす自衛隊誘致などの地域を分ける提案があり、東京政府や那覇政府を相手に自在な行動が見られた。研究分担者(研究代表者:佛教大学 教授 青木康容)
2012年04月2015年03月科学研究費基盤研究(C)「国境離島における対外戦略についての研究」1950000主にフィールドワーク調査によって平和的交流と国境防衛の両面から与那国町の対外戦略について検討する。具体的には現在、進展中の自衛隊配備について、受益圏/受苦圏の概念を参照しつつ住民の合意形成過程を明らかにし、その配備の進捗がとりわけ台湾とのトランスナショナルな関係に与える影響について分析する。さらに石垣市、宮古島市の対外戦略と比較することで、先島諸島のアジアとの関係、防衛の在り方について今後の研究の端緒を得る。研究代表者(内間接経費:450,000円)
2013年04月2016年03月科学研究費基盤研究(B) 「軍用地と地域社会ー沖縄県における軍事基地と軍用地料に関する地域社会学的実証研究」 17990000沖縄における地域自治組織すなわち「町内会自治会」の組織的な特性が本土のそれと以下の点で著しく異なることであった。 1. 沖縄社会は基本的に環節型社会であって、それは琉球王府以来のムラ名がこんにちまで100年以上にわたって継続し、シマ社会の永遠性を支えていること。2. 通常の「自治会」のほかに、同一範域において「郷友会」という第2の自治組織を編成して、旧字住民以外の新住民を排除していること。3. 市町村行政と住民組織間との間に強い親和関係があり、本土のそれ以上に行政末端機関として事実上機能していること。連携研究者(研究代表者:佛教大学 教授 瀧本佳史)
2013年04月2016年03月 科学研究費基盤研究(C) 「沖縄振興の計画と現実ー返還跡地再開発をめぐる合意形成と公共性」 4810000沖縄の軍用跡地再開発と、それによって大きな影響を受ける沖縄地域社会の現実について、既存の統計データ、歴史的経緯を把握したうえで、跡地利用をめぐる行政、軍用地主、区会、権利者会(旧字)、そして住民間の諸関係を、聴き取り調査および量的調査の分析を通して社会学的に検討した。2012年の跡地利用特措法の改正整備によって、沖縄社会における返還跡地利用に向けた道は着実に整備され、新たな局面に入った。他方で、住民の中では、軍用地返還へのコンフリクトや、軍用地を持つものと持たざるもののコンフリクト、さらに公共事業による過剰開発の現実も鮮明になった。 連携研究者(研究代表者:大阪経済大学 教授 難波孝志)
2016年04月2019年03月科学研究費基盤研究(B) 「沖縄県の自衛隊及び米軍所在自治体における地域アソシエーションの実証的社会集団研究」 14712000沖縄の軍用地は民有地が多く含まれていることに特徴がある。本研究で対象地域とした自衛隊所在自治体の多くが集まる沖縄本島中南部では、共有地は必ずしも第一次産業の生業に関わるものではない。神聖な土地として祈願される拝所や御嶽などが代表的な共有地であり、それを管理するアソシエーションがどのように運営されているのかに関して、メンバーシップの範囲、法人化の導入、団体設立とその正当性に焦点をあわせて軍用地と地域社会のかかわりをあきらかにした。 連携研究者(研究代表者:吉備国際大学 准教授 平井順)
2017年04月2020年03月科学研究費基盤研究(C) 「基地配備をめぐる社会学的研究─南西離島における基地建設と地域的記憶」 2860000自衛隊の配備が進む南西諸島の離島地域、与那国、石垣、宮古、奄美大島において、文献研究とフィールドワークに基づき、自衛隊による地域社会への影響を、主に記憶論の観点から分析した。その分析を通し、住民の記憶と現在の行動との関連、博物館、戦争遺跡など記憶装置の可能性と限界、記憶に基づく地域づくりの可能性などを検討した。その結果、地域社会における記憶の集合性についての理論的知見を得るともに、安全保障をめぐる地域の負担についての現状を提示した。 研究代表者(内間接経費:660,000円)
2019年04月2022年03月科研費(B)「軍用地コンバージョンの国際比較ー沖縄の基地移転と跡地再開発をめぐる地域社会研究」15860000 本研究は、国家、地方自治体、基礎自治体、そして地域社会の住民諸組織の関係性を、地域社会の権力構造と自治、そして地域の復興・発展という観点から探ることを目的としている。目的達成のために、軍用地跡地のコンバージョン過程について、質的・量的両調査を実施することによって、沖縄や沖縄以外の日本の事例と、ドイツ・韓国などの海外の事例との国際比較を行う。ここでいう軍用地コンバージョンとは、かつて自国あるいは他国の軍事基地であった跡地に対して行われる、跡地再開発、跡地の環境保全利用、他国から自国への軍用地としての転用などの、軍事基地跡地の利用目的の転換過程を指す。 研究分担者(研究代表者:大阪経済大学 教授 難波孝志)、分担分:1,036,100円(内間接経費:239,100円)。
2020年04月2023年03月科学研究費基盤研究(C) 「国境地帯への自衛隊配備をめぐる社会学的研究:合意論と記憶論の接合」2340000南西諸島にある与那国、石垣、宮古、奄美大島への陸上自衛隊基地配備を対象に、受け入れをめぐる地域社会での住民の合意形成の様相を、主にフィールドワークを用い、明らかにする。その成果を基に、社会的合意論を記憶論の観点から補強することで、理論的成果を目指す。同時に記憶の集合性の観点から各島の実情を比較しつつ、国境地帯への基地配備における課題について、地域社会と国家との関係に着目しつつ提示するという実践的成果を目指す。 研究代表者(内間接経費:540,000円)